この記事は以下のような方に役に立ちます。
- 新居を購入し、旧住所から引っ越しを済ませたところ
- 旧住所購入時は夫婦でペアローンをしていて、同時期に完済した
- 銀行から抵当権抹消に必要な書類が届いた
- 新居の購入資金も必要なため、出来るだけ費用は抑えたい
抵当権抹消手続きを自分でする方法を説明したページはいくつか見つかるけど、上のような状況ではどのようにすれば良いか分からない方に向けて、 抵当権抹消手続きを行う方法についてこれから説明していきます。
なお、本記事は司法書士でも何でもない一般人が、自身の経験に基づいて手続きに必要な情報だったところを抜粋して書いております。 なぜこういう申請をする必要があるか、など細かいところに興味がある方は法務局等にご確認頂くことをお勧めします。
本記事は、とにかく安く、抵当権抹消手続きを最短距離で行えればそれで良いんだ!という方向けに書いておりますので、予めご了承下さい。
1. 抵当権抹消手続きに必要な書類の確認
住宅ローンを完済すると、ローンを借りていた銀行の保証会社から以下の書類が送付されます。ご夫婦分全て漏れなく揃っているか確認しましょう。
- 解除証書(または弁済証書)
- 登記識別情報
- 委任状
上記がご夫婦分揃っていることを確認できたら、次のステップに進みます。
2. 抵当権抹消手続きの手段の決定
抵当権抹消申請手続きには、いくつか手段があるので、まず自分がどのタイプか 見極め、適切な手段を決定ください。
一番左のタイプに当てはまる場合は、オンライン申請にトライしてみましょう。なお、法務局に電話相談する場合は、「私は司法書士ではなく、一般人であり本人申請の相談である」ことをしっかり伝えてください。対応がより丁寧になるはずです。
3. オンライン申請のための準備
https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/index.html
まず、誰が申請者となるのかをシステムに登録します。Windows10の比較的新しいPCを使っている場合は、上記からで問題ありません。パソコンの環境設定に問題ありそうな場合、また申請者情報登録の具体的な手順については下記のかんたん事前準備ガイドで詳細ご確認ください。
https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/download_kani.html#Dounyu
申請に必要な以下のソフトと機器を用意します。
- 申請用総合ソフト
- ICカードリーダライタ
- 公的認証サービス
◇申請用総合ソフト
下記URLから自身のPCに申請用総合ソフトをインストール下さい。
https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/download_soft.html#SogoSoft
◇ICカードリーダライタ
持っていない場合はAmazonなどで購入します。私はレビューの数が多かったCemoyのDKQ-01というものを買いました(1,588円)。これで問題なく使えます。
◇公的認証サービス
下記URLから自身のPCに公的認証サービス用ツールをインストール下さい。
https://www.jpki.go.jp/download/win.html
4. 申請書の作成
PCにインストールした申請用総合ソフトを起動し、申請書新規作成を行います。今回作成する申請書は、以下の2つです。
- 所有権住所変更登記
- 抵当権抹消登記
引っ越しをしている前提ですので、まずは所有権住所変更登記申請から行う必要があります。住民票が新住所に変わっている状態で、旧住所で登録されている抵当権の抹消はできないのです。抹消するだけやのに・・と腐らずここは諦めて二つの申請書類を作りましょう。
<所有権住所変更登記申請書の作り方>
以下に実際に申請が通った書き方の例を記載します。
原因の部分には、あなたが住民票を新住所に移した日にちを記載しましょう。
ご夫婦共に抵当権が設定されており、ご夫婦共に住民票を移していると思いますので、申請人のところには、ご夫婦両名の情報を記載し、一緒に住所変更登記ができるようにしましょう。
登録免許税は土地・建物に対してになるので、2000円です。
不動産の表示の部分では、物件情報直接入力で不動産番号を記載するのが、何を書けば良いか悩まずに済む、という観点で一番楽です。不動産番号は、識別情報通知書などからご確認ください。
<抵当権抹消登記申請書の作り方>
次に抵当権抹消登記申請書の方の書き方例を記載します。
5. 登記識別情報の添付
抵当権抹消登記の添付資料として記載した登記識別情報は、オンライン申請に添付して提出する必要があります。登記識別情報通知の書類を郵送で送ったり、pdfで添付するのではありませんので、ご注意ください。
なお、登記識別情報の添付は、申請用総合ソフトのツール-登記識別情報関係様式-登記識別情報提供様式の作成から作ることができます。
6. 必要なファイル添付
- 住民票の写し
- 委任状(△△⇒○○)
- 解除証書
- 委任状(保証会社⇒申請者)
上記全てが原本での提出が必要であることから郵送で法務局に送ることになるのですが、オンライン申請にも添付しておきましょう。書類の不備等ある場合にお互いで確認がしやすくなります。
以上で申請に必要な書類の準備が完了します。
7. 申請データの送信
・マイナンバーカードの電子証明書で署名付与
ICカードリーダライタをPCに接続しているのに、「ICカードリーダの初期化でできませんでした」というエラーが出ることがあります。この場合は、公的認証サービスのパスワード変更などでマイナンバーカードICとのやり取りが出来ている状態で再トライすると初期化に成功し次に進むことができます。
・申請データ送信
「同時に申請する場合は、必ず住所変更登記申請の方の順番を1番、抵当権抹消登記申請の方の順番を2番とすること」
この順番が逆だと法務局の方で処理できなくなるため、取り下げ申請することになります。
・登録免許税を電子納付
電子納付後に登記申請の不備があり、取り下げ申請する事態になると、還付金申請書を記載しないといけなくなり、法務局に出向く必要が出てきてかなり面倒です。送った申請情報で登記処理上問題ないか法務局に確認の上、電子納付すると安心です。